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リアルタイムで放送された時はどうにも解釈が謎だったこの回を、
ちょっと本気出して考察してみたくなったもんでズバっとやっちゃいます。
んで、パソコンのメモ帳機能だして考えをまとめながらつらつら
書いてたわけですが・・・
これちょっと鷲巣さまのついでに載っけるには文章量がバカみたいに
なってしまったので、もうこれはコレだけの独立エントリーにする事にしました。
※これは「のっぺらぼう」の回の壮絶なネタバレ含みます。
※さらに「モノノ怪」というアニメを見たことない人には意味不明も甚だしいので
読まなくても特に支障はありません。
※そして、これは私の個人的な見解なので、これが正解という訳ではもちろんない
以上を踏まえた上で、読もうという人は 続き からどぞ。
・お蝶さんは子供の頃から母親に言われた通りに、琴や茶の厳しい稽古を受けてきた。
それは自分の意思で行ってきた事だと思っていたが、
お蝶さんの「自分でも気付かない本心」は外で鞠遊びなどしたいと思っていた。
この頃から、お蝶さんの意思と本心が分裂を始める。
そして、お蝶さんが「殺した自分(本心)」に「妖(あやかし)」が取り憑き、
モノノ怪が生まれる。
・お蝶さん、母の悲願で武家の屋敷(劣悪すぎる環境の)に嫁ぐ。
・モノノ怪、その辺の男(これが狐面の男)の体を乗っ取って実体化→「のっぺらぼう」と化す
・狐面の男として、「のっぺらぼう」がお蝶さんの前に現れる。
お蝶さんが「恋」したのは、この男。及び、この男を通して見える「外の世界」「自由」
・「のっぺらぼう」はお蝶さんに「あのムカつく武家屋敷一家をバーチャル殺人」
させる事によりそのストレスを発散させてあげる。
ストレス溜まる→バーチャルで殺させる→またしばらくしたらストレスが溜まる…の繰り返し。
・おそらく殺させた後、記憶を殺す前までリセットし、初期化。
殺したという記憶は残らないが、なんとなく心が軽くなってる…
みたいなことで循環させていたのではないか。
なので、武家一家は色んな殺され方のイメージで出てくる(磔、首吊り、生き埋め、斬殺)が、
お蝶さん自身はピンと来てない。彼女の中では常に、殺人が行われたのは一度なのだ。
・「のっぺらぼう」はバーチャル殺人はさせるが、現実のお蝶さんを武家屋敷から「自由」にはしない
・お蝶さんが自分を殺し続けことで「妖」はモノノ怪「のっぺらぼう」として存在できる
自分をモノノ怪として存在させ続ける為に、お蝶さんをあの家に縛り付ける
・さて、この辺で薬売りがなんかお蝶さんがモノノ怪に取り憑かれてるな~と嗅ぎつけて現れる
・薬売りは、その一筋縄ではいかない状況を見るに、まずお蝶さんに対して
「お蝶が武家一家殺害で逮捕、死罪を申し付けられ牢に投獄される」
というバーチャルシチュエーションを「用意」する。
・「武家一家を殺害」という「ストレス解消バーチャル」を続けてきたお蝶さんは、
これにあっさりシンクロ(罪を犯せばいずれ捕まる…という概念)
「のっぺらぼう」の作ったバーチャル世界から切り離され、
薬売りが用意した牢獄空間に移行(ここが物語の冒頭)
あの場所は薬売り曰く「出ようと思えば牢になり、出たくないと思えば城になる」
気の持ちようでどうとでもなる場所。つまりはお蝶さんの心の中(内面世界)だと思われる
・薬売りはここで、お蝶さんからモノノ怪を斬るための真と理を聞き出そうとする。
が、話の途中で「のっぺらぼう」が牢獄世界に介入→一時的に薬売りを退ける。
・さて、お蝶さんを奪還したものの、「のっぺらぼう」は困った。
お蝶さんは、「武家一家を殺害」し続けるあの場所(空間)には戻りたくないという。
薬売りの介入により、あのバーチャル体験に対する拒否、疑心が出ているのだ。
これではもう「バーチャル殺人で鬱憤を晴らさせる」というリサイクルシステムが使えない。
・そこで、「のっぺらぼう」は「バーチャル殺人」を、「恋した男と駆け落ちする」
という新たなストレス解消システムに転換をしようと考えつく→お蝶さんにプロポーズ。
ストレス発散の手段が、「武家一家惨殺」から「恋した男と逃避行」に変わっただけである。
憎いヤツを殺す事も、恋した男と逃避行するのもお蝶さんの深層にある願望なのだ。
それを利用するのである。
・「のっぺらぼう」との結婚式の場面。能面たちが「良い嫁だ良い式だ、めでたや」とはやし立てる。
これも、武家屋敷での式では散々悪く言われていたお蝶さんを満たすための演出。
親類縁者に嘲られる事が、深層でトラウマになっている=親類縁者に褒められる事で緩和される。
・そしてここで薬売り再登場。こんな結婚式は第三者からみれば薬売りの言うとおり
「茶番劇」そのもの
・薬売りが「のっぺらぼう」と乗っ取られていた狐面の男を分離、
狐面の男(「のっぺらぼう」が獲得していた生身)はお蝶さんの内面世界からログアウト
・薬売りは今度は「お蝶の一生(トラウマの大元である母親のこと)を思い出させれば、
この世界は崩壊するだろう」作戦を決行。
なので「のっぺらぼう」はお蝶さんに思い出すな考えるなーと叫んでいる。
・さて、ここで問題になってくるのが「大好きな母の悲願で武家屋敷に嫁いだ」というキーワード
この呪縛がお蝶さんを武家屋敷に縛り付けているわけだが、
こんなモノは、そもそも断ち切ろうと思えば断ち切れる鎖なのだ。
子供の時のまま母の情念振り回され、武家一家に苦しめられているお蝶さんだが
もう大人なんだから、自分の事は自分で決めて嫌なら逃げ出してしまえばすむ話である。
そこで「のっぺらぼう」はお蝶さんをこの家に縛り付けておくために、
この鎖(母に対する記憶や情念)を見えなくさせた(忘れさせた)
見えない鎖は断ち切ることは出来ないが、お蝶さんをしっかりあの家に縛り付けるわけである。
なのでお蝶さんは最初、あの家から自分が逃げ出さない理由は分からないが
なんとなく逃げる事もできなかった訳である。
・「武家屋敷一家惨殺」「惚れた男と逃避行」
こんな欲求が生まれるほどの環境に、自分を縛り付けるのも母親のせい。母親のため。
こんなに尽くしても、自分を見てくれない母親。考えれば考えるほどグチャグチャしてくる頭…
なんか色々悩みすぎて、ふっともうなんかどーでもよくなっちゃう瞬間ってありますよね。
開き直りというか、なんでこんな事で悩んでるんだろう馬鹿馬鹿しい・・・みたいな。
お蝶さんついに→「(あんな母親のために)私、バッカみたい…」
今まで別れ別れだった、お蝶さんの意識と本心が重なった瞬間です。
それは、飛び出していた本心が、お蝶さんの中に戻ってきたという事でもあり、
お蝶さんの「切り捨てた本心」を元に構築されたこの世界が不安定に揺らぎます。
・そして最後のとどめ。
「のっぺらぼう」は元々、「お蝶さんが殺していた自分」と
「妖」が合体して出来た「モノノ怪」だったということ。
つまり「のっぺらぼう」の半分はお蝶さん自身でもあったのだ(なので、面がお蝶さんの顔を現した)
同時に「のっぺらぼう」が仕組んだ一家殺人も、自分の自演と言えなくもない…ので
武家一家の死体にもお蝶さんの顔が浮かぶ(自分を殺していた、という事の暗喩も含むのかも)
・ついに「のっぺらぼう」のバーチャル世界は崩壊。
真っ白になった世界でお蝶さんとハイパー薬売り。
・さて、ここでお蝶さんが
「何故、のっぺらぼうは自分を(偽惨殺や、偽駆け落ちで)助けてくれたんでしょうか」
薬売り「助けられたなどと、思っているのか(あんなもの一時しのぎのまやかし)」
・でも、お蝶さんの「切り捨てていた自我」に取り憑いていた「妖」が、
お蝶さんをあの家に縛り付けていたのは、お蝶さんと一緒に居たかったからかも知れない。
「妖」はモノノ怪となり、人間に取り憑くことで、
同じ人間としてお蝶さんと幸せになりたかったのかも知れない
なので、薬売りは「貴女に惚れてたのかもしれない」ともらす。
・そしてラストのシーン。
トラウマを克服したお蝶さんは、今度こそ本当に自由になるべく武家屋敷から逃げだした後。
「(台所には)誰も居ない」
武家屋敷一家は声だけだが、今も台所の向こうに「存在」し、馬鹿な宴会を続けている。
<もしかしたらこういう見方もできるが確証はない…編>
・お蝶さんも武家屋敷一家もとっくに居ない。
コレまでの事は、お蝶さんの残留思念(たとえば何十年も前の事)
本人たち亡き後も「のっぺらぼう」のバーチャル世界は当事者の念を縛り付けたまま回り続け、
お蝶さんの魂を長い時間捕らえていた。それが今回で解決し、
お蝶さんは自由になる(成仏?)結果「(ここには初めから)誰も居ない」
武家屋敷一家が声だけの存在だったのも頷ける演出…ということになる。
・薬売りがラスト、狐面の男と同じキセルを吸っている事から、
「のっぺらぼう」に体を乗っ取られた狐面の男=薬売り?
(狐面の男のビジュアルがハイパー薬売りと似ている。耳とか肌の色とか)
薬売りが、「のっぺらぼう」に体を乗っ取られたことで、
薬売りがこの事件に関与する切っ掛けになったとか。
今回は精神世界で進行している話なので、体を乗っ取られた薬売りが
それを取り戻すまでのストーリーだったと考えられなくも無い。
ただ、薬売りがそんなモノノ怪相手にヘタうつ人でもない気がしますが。
まあ、この辺はこういう捉え方も出来ると言うだけで、
実際のところは作り手のジョーク(もしくはリップサービス的な演出)なのかも。
私はモノノ怪でもジブリでも何でも、4回くらい繰り返し見て、やっと内容の半分くらいはわかったかなー…?って感じの残念クオリティな頭をしてるので、よくいろんな人の考察をみるんですが、
忍さんの解釈はほんとにモノノ怪のイメージにピタッとはまってて、とても共感できました^^v
少ない会話の一つ一つに意味がこめられているんだなってわかって、
ますますモノノ怪が好きになれそうです(´∀`*)v
でも結構浅知恵ですぜ
>忍さんの解釈のあまりの的確さにコメントせずにはいられませんでした
や、こんな独りよがりの駄文読んでいただき感謝。モノノ怪は何度でも見れますよね
>おー、忍さんの解釈すごいですね!納得しました
恐縮です。私も前編後編5回以上見てますがまだ分からない部分もあったりで。
これまでのっぺらぼうの回を私もテレビで見、DVDでも何度も繰り返し見、自分でも色々考えましたが結局どういうことだったのかが解からず、ネットで色んな人の解釈を読み漁ったこともありました。
でもどの人の解釈もイマイチで「うーん、すっきりしない!」って感じでした。
あまりに意味不明な内容で、製作者からの公式解説発表をして欲しい!と思うぐらいでした。
が!!今日忍さんの解釈を読んで、初めてすっきりしました。
こんなに月日が経ってからこんなに良い解釈を読めるとは・・・(感涙)
絡まった糸が全部ほどけて、私の中でピーンと1本になったような気持ちです。(精神世界っぽい)
公式解説を読んだぐらいにすっきりです。
これで安心して(?)のっぺらぼうのDVDを見ることができます。
いやー、ほんとにありがとうございました。
のっぺらぼうの解釈について色々と見て回った結果、ここの考察が一番納得できました。
別の話しになりますが、モノノ怪の形・真・理を見極めなければ斬れないという設定は、京極夏彦氏の小説である京極堂シリーズの主人公が行う憑き物落としを彷彿させますね。
(というか、何らかの影響を受けていることは間違い無いと思います。)
京極堂シリーズの憑き物落としは、対象者の精神的な病巣に妖怪という形を与えて認識させ(形)、その妖怪が歴史的に与えられてきた役割と実際に起こった事件をリンクさせ(真)、さらにはその妖怪を現実的なロジックで解き明かすことで解体し(理)、対象から病巣を取り除くという手法であります。
ベストセラー小説でもありますし、モモノ怪が面白かった人であれば、多分ハマれると思います。
未読であればどうぞ。(ブ厚いけど・・・・)
映画やアニメにもなっていますが、やはり憑き物落としの醍醐味を味わいたいなら、やはり小説が一番です。
狐面の男とハイパー薬売りの外見の相似はあまりにも引っ掛かるので、私は二個目の解釈も推したいですがw
いや~、正解かどうかはともかく、とても熟考された見応えのある解釈をありがとうございました(*´∀`*)
あの仮面の男は実は薬売り・・一理あるかも。
でも・・・ハイパー(金色の)さんと身長もピアスの色も違いませんか?
仮面の男の名前は「敦盛」ですし・・。
いや・・・それも芝居かも・・・?
う~ん・・考えれば考えるほど難しい話ですね。
私の考えでは仮面の男敦盛はお蝶の実家の梅の木の化身で(お蝶の名字も梅沢です。)、お蝶のことをお蝶が幼いころから見守っているうちに情がうつってしまい、いつしかお蝶に恋心を抱いたのでは・・それでお蝶を牢から逃がそうとしたのでは・・・と思っています。
ほんとにモノノ怪はすべていい話ですが、中でものっぺらぼうはいろいろな解釈のしかたがあって素敵です!
モノノ怪は何回見ても新しい発見ができるのであきないですね。
一生懸命見ても「???」だったのっぺらぼう、やっと飲み込めました。
忍さんの考察を受け、もう一度見てきました。
自分が感じたのは、
のっぺらぼうがのっとった体は薬売りかと。
ただしそれはのとられたのではなく、薬売りさんがモノノ怪を切るために一時的にのっとらせた、もしくはのっとられた芝居をして騙したのではないかと。
どのみち最初からイニシアチブは薬売りさんが握っているように思えます。
また、のっぺらぼうはお蝶さんを慕っていたのは本当に思えました。
本当は最初から嫁にほしいくらい好きだったけどそんなことは叶う訳もなく、せめて一緒にいるためにお蝶の心に入り込んで彼女を閉ざしたがそれが叶わなくなり、一緒に逃避行をしようと申し入れた。
プロポーズを受け入れられたときののっぺらぼうの喜び方は心からのものだったと思いました。
のっぺらぼうはもしかしたら、お蝶のが心を閉ざし始めた子供の頃から近くにいたのかもしれません。
そしてお蝶も無意識可下でのっぺらぼうに恋し始めており、輿入れが決まったときも「本当は好きな人がいる」と母親には言えなかったけれどそれはのっぺらぼうだったのではないでしょうか。
切ないお話でした。
こちらの解説を読んで皆さんと同じくやっと
謎が解けたような気がしました。
母親の捻れた愛情により娘の「本心」と「意志」が分裂… まさに、これが全てですよね。
お蝶さんは「かか様の事が大好き」だった
のではなく「大嫌いだった」のだと思いました。それを言えない(言ってはいけない)
と思い込んで生きていたために、死後長い間
成仏できないまま、あの屋敷にずっと取り憑いてたのかなと。
そこへやってきた薬売りが
「再現ドラマ」という形でお蝶さんに
再度、見せ、振り返らせ、気づかせ、
お蝶さんの本心(本当に望んでいたもの)は
妄想による疑似恋愛(きつね面)などではなく、あの腐った「母親」からの「精神の解放」だったのですよね。
薬売りさんから「斬られる」事によって
本当の自分を取り戻し
「ばっかみたい」の瞬間、あぁやっと成仏できたんだな〜と思いました。
薬売りさんが最後にいった「しかし、誰もいない」は「やっと成仏できた」にも
聞こえました。
もう何年も過ぎてますが、さっきモノノ怪を見て私なりに解釈した事を書いてきますw
大体は忍さんと同じですが、ちょっと違うところを書いてきます。
お蝶さんのもののけについては、お蝶さんの気が病んできた所をのっぺらぼうに操られ、精神を偽装されたと思います。
つまり、のっぺらぼうとは気を病んだ後のお蝶さんの中にいるという事です。
狐面の男はお蝶さんが作り出した幻。
殺害については、一家殺害する想像をさせることで精神を安定させて、あの場所に縛り付ける行為と思います。
そして、薬売りに「殺してきたのは自分の心だった」と言うことを見せ付けられ、お蝶さんの本心は「自分自身にもののけがいた」事を知ります。
最後に薬売りがのっぺらぼう(お蝶さんの精神を偽装していた妖)を斬る事でお蝶さんは開放され、空を見て家を出て行く決心がついたと思います。
のっぺらぼうを見てわからない事があって
考察サイトをめぐっていたらこちらにたどり着きました。
色々納得させられました!
なるほどー。
あと、モノノ怪見返してて思ったのですが。
お蝶さんは「男」だったのではないかと思うのです。
結婚式の時の旦那の「女など金でいくらでも買える」
小姑?の「なんであんなのもらっちゃったのー?」
発言。
幼少期のお蝶さんにつき月代がある。
お蝶さんが偽装していたのは精神だけではなくて性別もだったのだと思いました。
画面に食いつくように解釈を見せていただきました!
とっても切ないです。
そして仮面の男は薬売りさん説ですがわたし的にはけっこうしっくりきます。
精神世界の話でならアリかな・・・と。
解釈は人それぞれだというし私も自分なりの解釈をしようと試みたのですがどうしても今回ばかりは様々なパターンが出てきて混乱してしまいネットで検索したらここにたどり着きました
なるほど~と納得する箇所がいくつもありこんがらがっていた部分に整理がつきました
ありがとうございます!
やはりラストの薬売りのしかし誰もいないが様々な解釈をうみますよね
自分は確証がない方のオチも普通にありだと思います!!
そして本題ですが、化猫からの大ファンで、リアルタイムでも見てました。中でものっぺらぼうは大好きです。しかし解釈が難しくて、いつもウンウンしていました。
が!こんなにもなるほど!と思う解釈は初めてで、目からウロコでした。
やはり、最後の、「しかし、誰も居ない」は秀逸ですよね。あの一言の受け取り方で全ての意味が変わってくるかと。矢張りお蝶たちは残留思念に近いものなのかな。実体はとうの昔に朽ち果てているように感じられるんですよね。